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生理の血が止まらない原因は?正常な生理との違いと受診の目安を解説

「生理が何日たっても終わらない」「経血の量がいつもより多い気がする」と、出血が長引いていることに不安を感じていませんか?

生理の出血は女性ホルモンの分泌や子宮の状態によって変化しやすく、一時的な乱れで長引くこともあれば、子宮の病気が関わっているケースもあります。

本記事では、生理の血が止まらないときに考えられる主な原因と正常な生理との違い、受診を検討する目安について解説します。

生理の血が止まらない主な原因

生理の出血が長引く背景には、いくつかの原因が考えられます。

はじめに、ホルモンの変動・子宮の病気・妊娠や全身の要因という3つの視点から、それぞれの詳細を見ていきましょう。

  • ホホルモンの変動
    思春期・更年期、ストレスや睡眠不足、急激な体重の増減など
  • 子子宮の病気
    子宮筋腫・ポリープ・子宮内膜増殖症・がんなど
  • 身妊娠や全身の要因
    妊娠に関連した出血、甲状腺の異常、お薬や避妊具の影響など

ホルモンバランスの乱れによるもの

出血が長引く原因として多くみられるのが、女性ホルモンの乱れです。

排卵がうまく起こらないと、子宮内膜を安定させるホルモン(プロゲステロン)の働きが不十分になります。

その結果、厚くなった子宮内膜が一気に剥がれ落ちず、少しずつ壊れて剥がれることで、だらだらとした出血が長く続いてしまうことがあります。

ホルモンバランスが乱れやすい時期や主なきっかけは以下のとおりです。

  • 初経から数年の思春期
  • 閉経が近づく更年期
  • 強いストレスや睡眠不足
  • 急激な体重の増減

ホルモンの変動による一時的な出血であれば自然に落ち着く場合もありますが、別の病気が隠れていないかを確認するために検査を受けて確かめることが大切です。

子宮の病気によるもの

子宮のかたちや組織そのものに変化が生じる病気がある場合、経血量が増えたり出血期間が長期化したりします。

出血の原因となる主な子宮の病気は以下のとおりです。

がん以外の病気
  • 子宮筋腫
  • 子宮腺筋症
  • 子宮内膜ポリープ
  • 子宮頸管ポリープ
  • 子宮内膜増殖症
がん
  • 子宮体がん
  • 子宮頸がん

これらの病気を出血の様子や色だけで見分けることは不可能なため、婦人科での超音波検査などを通じて子宮内部の状態を確認する必要があります。

子宮筋腫・子宮腺筋症

子宮の筋肉に関わる病気のなかでも、生理の出血量や期間に特に影響しやすいのが子宮筋腫と子宮腺筋症です。

  • 子宮筋腫子宮の筋肉層に発生する良性の腫瘍です。腫瘍によって子宮内膜の表面積が広がったり、子宮の収縮運動が阻害されたりするため、経血量の著しい増加や生理の長期化を引き起こすことがあります。
  • 子宮腺筋症子宮の筋肉の層の中に、子宮内膜に似た組織が入り込んで増殖する病気です。子宮壁が全体的に大きく厚くなることで、経血量の増加や激しい生理痛の原因となります。

いずれも強い生理痛や貧血をともなうケースが多く見られますが、症状の進行具合や現れ方には個人差があり、自覚がないまま経過することもあります。

子宮筋腫の症状や治療法については、以下のページで詳しくご紹介しています。

関連記事:子宮筋腫とは

子宮内膜ポリープ・子宮頸管ポリープ・子宮内膜増殖症

子宮の内側や入り口の粘膜に組織的な変化が起こることで、不正出血や生理の長期化に繋がる場合があります。

  • 子宮内膜ポリープ子宮内膜の一部がキノコ状に盛り上がった病変で、不正出血や経血量の増加の要因となります。
  • 子宮頸管ポリープ子宮の入り口(子宮頸管)の粘膜にできる小さな良性の突起です。不正出血の原因として比較的よく見られ、性交後や排便時のいきみなどをきっかけに出血することがあります。
  • 子宮内膜増殖症エストロゲンの影響などで子宮内膜が異常に厚く増殖する状態です。出血が長引く要因となり、異型細胞を伴うタイプの場合は経過によって子宮体がんへと進行する可能性が指摘されています。

いずれも専門医の判断のもとで、細胞診や組織検査、経過観察を受けることが重要です。

子宮体がん・子宮頸がん

頻度としては高くありませんが、子宮体がんや子宮頸がんといった悪性腫瘍が出血の原因となっている場合もあります。

  • 子宮体がん子宮の奥の内膜から発生するがんで、閉経前後の年代に多く見られます。閉経後の出血や、通常の月経周期と無関係なだらだらとした出血として現れる傾向があります。
  • 子宮頸がん子宮の入り口付近に発生するがんで、20代〜30代の若い年代でも発症します。不正出血や性交時の接触出血などが代表的な症状です。

がんによる出血も早期段階では通常の生理の乱れと見分けがつかないため、定期的ながん検診や検査での確認が必要です。

子宮頸がん検診で異常を指摘された方は、以下のページもあわせてご覧ください。

関連記事:子宮頸がんの原因と成り立ち

妊娠や全身の病気・服薬によるもの

生理だと思っていた出血が、実は妊娠に関連した出血である可能性も考慮しなければなりません。

妊娠初期の流産や、受精卵が子宮以外の場所(卵管など)に着床する異所性妊娠(子宮外妊娠)では持続的な出血が見られることがあり、緊急の医療処置が必要となるケースが存在します。

そのほか、全身的な要因や薬剤の影響で出血が止まらなくなる場合もあります。

  • 血液が固まりにくい病気(特発性血小板減少性紫斑病など)
  • 甲状腺機能の異常(甲状腺機能低下症・亢進症)
  • 抗凝固薬など血液を固まりにくくするお薬の服用
  • 低用量ピルなどのホルモン剤服用中に起こる破綻出血
  • 子宮内避妊用具(避妊リング・IUSなど)を装着したあとの局所的刺激

服薬中や避妊リングの使用中に出血が続く場合であっても、ご自身の判断で服用や使用を中止することは危険です。

処方や処置を行った医師へ速やかに相談してください。

「生理の血が止まらない」と感じる状態と正常な生理との違い

生理の出血が長いと感じても、それが正常な生理の範囲内なのか判断がつきにくいことも少なくありません。

ここでは、一般的な正常な生理の基準と、そこから外れる状態の定義をご紹介します。

なお、日本産婦人科医会が示している正常な生理の目安は以下のとおりです。

正常な生理の目安
  • 生理周期25〜38日
  • 出血が続く期間3〜7日
  • 経血量20〜140ml程度1回の生理全体で
出典:日本産婦人科医会

「生理が終わらない」と感じる状態は、主に以下の3つに整理されます。

  • 過長月経生理そのものの異常
    生理の出血が8日以上続く
  • 過多月経生理そのものの異常
    経血量が多く貧血につながることがある
  • 不正出血生理とは別の出血
    生理以外のタイミングで起こる出血。生理の直後に続くと、長い生理と区別しにくい

※過長月経・過多月経は生理そのものの異常、不正出血は生理とは別に起こる出血を指します。

※上記の数値はあくまで目安であり、年齢や体質によって個人差があります。

参考:公益社団法人 日本産婦人科医会|Q&A「正常な生理(月経)の目安を教えてください!」

正常な生理より出血の期間が長い

生理による出血が8日以上長引く状態は、医学的に「過長月経(かちょうげっけい)」と診断される可能性があります。

出血が長引く背景には、無排卵周期によって子宮内膜の剥脱が不均一になっている状態や、子宮筋腫・ポリープなどの病変が存在するために子宮内膜の修復や収縮が妨げられている状態などが考えられます。

なお、もともと生理期間が長めの方や、終わり際に少量の褐色出血が数日続くといった個人差が存在することもあります。

正常な生理より経血量が多い

経血量が異常に多い状態は「過多月経(かたげっけい)」と呼ばれます。

一般社団法人 日本女性心身医学会によると、1回の生理における総経血量が140ml以上になると鉄欠乏性貧血を併発しているケースが多いとされています。

しかし、個人で毎回の経血量を正確に計量することは難しいため、実際には患者様の感覚や生活上の支障、血液検査での貧血の有無によって判断されます。

過多月経が疑われる日常的な変化の例は以下のとおりです。

こんな変化はありませんか
  • ✓多い日用のナプキンが2時間もたずに交換が必要になる
  • ✓昼間でも夜用ナプキンが必要になる
  • ✓レバーのような血の塊がたびたび出る
  • ✓寝ている間に漏れてしまう

経血量は他人のものと比較する機会が少ないため、量が過剰な状態が日常化していても自覚しづらい傾向があります。

参考:一般社団法人 日本女性心身医学会|過多月経

生理の出血ではなく不正出血が続いている

「生理が終わらない」と感じている症状の中には、本来の生理自体はすでに終了しており、それに続いて「不正出血」が発生しているケースも含まれます。

生理による出血と病気などによる不正出血は、見た目だけで明確に区別することが難しいため、連続して起こると一連の長い生理のように感じてしまいます。

不正出血は一時的なホルモンバランスの崩れで起こるものから、子宮頸管ポリープなどの良性の病変、子宮頸部・体部の疾患や初期妊娠に関わるものまで原因はさまざまです。

排卵期の出血については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

関連記事:排卵期の出血は病気?原因や不正出血の見分け方についても解説

生理の血が止まらない状態を放置するリスク

出血が続いている状態を「そのうち止まるだろう」と放置してしまうと、身体や日常生活に多大な影響を及ぼすおそれがあります。

ここでは、知っておくべき3つの主なリスクについて解説します。

貧血による体への影響

出血の長期化や経血量の増大に伴い、体内の鉄分が継続的に失われると「鉄欠乏性貧血」を引き起こします。

貧血が進行した際に現れる代表的な身体症状は以下のとおりです。

  • ふらつきや立ちくらみ
  • 動悸や息切れ
  • 疲れやすさ
  • 顔色の悪さ

慢性的にじわじわと貧血が進行した場合、体がその低酸素状態に徐々に慣れてしまうため、深刻な数値低下に達していても自覚症状を感じにくい点に注意が必要です。

病気の発見が遅れる可能性

出血の裏に子宮筋腫・子宮内膜ポリープ・子宮内膜増殖症・子宮がんなどの病気が潜んでいた場合、自己判断で様子を見続けることで病態の発見や治療開始が遅れてしまうリスクがあります。

良性腫瘍であっても巨大化すると周囲の臓器を圧迫し、手術が必要になることもあります。

また、がん関連の病変も早期に発見・検査を受けることで選択できる治療の幅が広がります。

日常生活や心への負担

止まらない出血は、毎日の生活や精神面にも大きな負担を強いることになります。

  • ナプキンの交換や漏れが気になり外出しづらい
  • 夜中に目が覚めて睡眠が十分にとれない
  • 仕事や家事に集中しにくい
  • 出血がいつまで続くのか分からず不安が続く

出血が長く続くこと自体が日常の大きなストレスとなり、心身ともに疲弊してしまうケースも少なくありません。

身体面だけでなく生活や精神面にも支障が出る前に、早めに対策を考えることが大切です。

生理の血が止まらないときの受診の目安

出血が続いている最中であっても、婦人科での診察や検査を受けることは十分に可能です。

出血が完全に収まるのを待つ必要はありません。

ここでは、症状の緊急性に応じた受診の判断基準をご紹介します。

すぐに医療機関へ連絡したいサイン

以下の症状が見られる場合は、経過観察をせず、すぐに婦人科や夜間緊急窓口などの医療機関へ連絡してください。

すぐに医療機関へ連絡
  • !立ちくらみやふらつきが強く、意識が遠のく感じがある
  • !ナプキンを替えてもすぐにあふれるほどの出血が続いている
  • !強い下腹部の痛みがある
  • !妊娠の可能性があり、出血や腹痛がある

急激な大量出血や妊娠に関連する異常出血は、ショック症状を起こす危険性や緊急処置が必要となる場合があります。

救急車を呼ぶべきか迷うとき|石川県の救急電話相談#7119または 076-213-7119休日・夜間に受診先が見つからず、救急車を呼ぶべきか迷うときは、看護師に相談することもできます。受付時間は平日の夜間・土曜午後以降・日曜祝日の終日などに限られ、変更される場合もあるため、最新の情報は石川県のホームページでご確認ください。
意識がもうろうとしている・自力で動けないとき119救急車ただし、意識がもうろうとしている場合や自力で動けない場合は、ためらわず救急車(119番)を呼んでください。

早めに婦人科を受診したい症状

即座の救急要請レベルではなくとも、以下のいずれかに該当する場合は、早めに婦人科を受診してください。

早めに婦人科を受診
  • 生理が8日以上続いている
  • 昼間も夜用ナプキンやタンポンが連日必要になる
  • レバーのような血の塊がたびたび出る
  • 出血が長引く状態が毎周期くり返されている
  • 生理の時期以外にも出血がある
  • 閉経後に出血があった
  • 健康診断などで貧血を指摘された

これらはあくまで受診の一助となる目安です。

該当する項目がなくても、ご自身で「いつもと違う」「体調がおかしい」と感じる変化があれば、無理をせず専門医に相談しましょう。

受診前に記録しておきたいこと

受診する際、ご自身の症状や状況を正確に医師へ伝えるため、以下の項目を事前に整理・記録しておきましょう。

メモしておくこと
  •  出血が始まった日と続いている日数
  •  ナプキンを取り替える頻度
  •  血の塊の有無と大きさ
  •  腹痛などの症状の有無
  •  前回の生理が始まった日
  •  妊娠の可能性の有無
  •  服用中の薬やサプリメント

スマートフォンのカレンダーアプリやメモ帳に記入しておくだけでも、医師が正確に状態を把握するための貴重な情報となります。

なお、受診までの期間は過度な運動や長風呂を避け、安静に過ごすようにしてください。

また、市販の鎮痛剤や止血剤を自己判断で長期間常用することは避け、服用に不安がある場合は医師や薬剤師にご相談ください。

まとめ

生理の血が止まらない状態は、一時的なホルモンバランスの乱れから、子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、さらには悪性疾患や妊娠に伴う異変まで、多岐にわたる要因が考えられます。

放置することで深刻な鉄欠乏性貧血を引き起こしたり、病気の治療機会を逃してしまったりすることもあります。

長引く出血や大量の経血に悩まされている方は、「いつものことだから」「様子を見れば止まるはず」と自己判断せず、早めに婦人科を受診しましょう。

当院では、患者様一人ひとりの症状に親身に寄り添い、丁寧な問診と超音波検査などを通じて、適切な診断と治療のご提案を行っております。

気になる症状や不安なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

ご予約はLINE(24時間受付)、またはお電話(076-216-0123/受付時間9:00〜18:00)にて承っております。

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