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中絶の後遺症は出る?起こりうる症状や受診の目安を解説
中絶を考えているとき、あるいは手術を終えたあとに、「体に後遺症が残らないだろうか」「将来また妊娠できるのだろうか」と不安を感じる方も少なくありません。
術後の出血や腹痛、気持ちの揺れに戸惑いながら、誰にも相談できずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、中絶後に起こりうる体と心への影響や将来の妊娠との関係、早めに受診を考えたい症状の目安について、ひとつずつ解説します。
中絶の後遺症は出る?知っておきたい基礎知識
後遺症について考えるときは、まず後遺症が出る可能性と、後遺症という言葉が指す意味を押さえておくことが大切です。
後遺症と合併症、回復過程の違いもあわせて確認していきましょう。
中絶で後遺症が出る可能性
結論からいうと、「適切な医療機関で行われた妊娠初期の中絶で、長期的な後遺症が出る可能性は低い」というのが現在の一般的な見解です。
米国科学・工学・医学アカデミーが2018年に公表した報告書でも、中絶による重い合併症はまれであり、妊娠のできるだけ早い時期に行うほど体への負担やリスクを抑えやすいと報告されています。
ただし、これは海外のデータにもとづく見解で、合併症のリスクがゼロというわけではありません。
回復には個人差があり、妊娠週数や手術方法、術後の過ごし方によってもリスクの程度は変わります。
「自分は大丈夫だろうか」と気になるときは、ひとりで悩まず、医師に率直に聞いてみてください。
参考:National Academies|nationalacademiesThe Safety and Quality of Abortion Care in the United States(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine, 2018)
回復過程・合併症・後遺症の違い
中絶後に起こる体の変化は、「回復過程」「合併症」「後遺症」の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
それぞれの違いは以下のとおりです。
回復過程で起こる変化の多くは自然に落ち着いていき、合併症も多くは適切な治療で回復します。
後遺症につながる可能性があるのは、合併症の発見や対応が遅れた場合など、一部のケースに限られます。
とはいえ、今の症状がどれに当てはまるのかを自分で見分けるのは難しいものです。気になる症状があるときは、我慢せずに医師の診察を受けてみてください。
中絶後に起こりうる後遺症や合併症
中絶後の合併症はまれとされ、多くは適切な治療で回復しますが、対応が遅れた場合などには一部が後遺症につながる可能性もあります。
主な合併症と後遺症との関係について、4つに分けてご紹介します。
子宮内感染
子宮内感染は、中絶に伴って起こりうる合併症のひとつです。
手術後に細菌が子宮内に入り込み、子宮内膜炎や付属器炎(卵管や卵巣の炎症)などを起こす状態を指します。主なサインは、発熱や続く下腹部痛、においの強いおりものです。
多くは抗菌薬などの治療で回復し、後遺症が残ることは少ないとされています。
後遺症につながる可能性があるのは、炎症が卵管まで広がり癒着や閉塞が残った場合であり、将来の妊娠しにくさの原因になることがあります。
熱や痛みが続くときは、早めに受診することで、炎症が広がる前に治療を受けやすくなります。
子宮内の遺残
子宮内の遺残も中絶に伴って起こりうる合併症のひとつで、妊娠組織の一部が子宮内に残ってしまう状態です。
出血が長引く、レバーのような血の塊がくり返し出る、腹痛が続くといった症状がみられる場合があります。
多くは子宮の収縮を促す薬や再処置によって回復するとされ、遺残そのものが後遺症として残ることは少ないと考えられています。
ただし、そのままにしておくと感染や大量出血の原因になり、感染を通じて後遺症のきっかけになることもあるため注意してください。
出血がなかなか減らないときは、「もう少し様子を見ようか」と迷わずに、処置を受けた医療機関へご相談ください。
子宮穿孔と頸管損傷
子宮穿孔(しきゅうせんこう)と頸管損傷(けいかんそんしょう)は、手術器具によって起こりうる合併症です。
子宮穿孔は子宮の壁に穴があく状態、頸管損傷は子宮の入り口(頸管)が傷つく状態を指し、いずれもまれとされています。
小さな損傷であれば経過観察で自然に治ることが多く、後遺症が残るケースは限られます。
頸管の損傷については、将来の妊娠経過への影響を指摘する研究がある一方で、中絶によって早産のリスクが高まることは認められなかったとする報告もあり、評価は分かれているのが現状です。
子宮内の癒着(アッシャーマン症候群)
アッシャーマン症候群は、子宮の内側の壁同士が癒着してしまう状態です。
手術後の合併症として起こり、癒着が残った場合には、後遺症として月経や妊娠に影響が出ることがあります。
発生頻度は調査によって幅があり、症状のない軽い癒着を含めるかどうかでも変わります。
ただ、起こりやすいとされるのは、掻爬法による処置を複数回受けた場合であり、後遺症としては月経量の減少や無月経、妊娠しにくさなどとして現れることがあります。
「中絶後から生理の量が明らかに減った」と感じるときは、気のせいと片づけず、婦人科で相談してみてください。
中絶は将来の妊娠に影響する?
「将来また赤ちゃんを授かれるだろうか」という不安を抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは妊娠しにくくなる可能性と注意したいケース、術後の避妊の考え方について解説します。
中絶後に妊娠しにくくなる可能性
まず知っておいていただきたいのは、適切な医療機関で行われた中絶によって妊娠しにくくなる可能性は低い、ということです。
前述の米国科学・工学・医学アカデミーの報告書でも、中絶によって続発性不妊(一度妊娠したあとに妊娠しにくくなること)のリスクが高まることは認められなかったとしています。
ただし、前述の合併症が後遺症として残った場合には、妊娠に影響が出る可能性もあります。
大切なのは、必要以上に自分を責めたり、ひとりで思い詰めたりしないことです。
気になることがあれば医師に相談しながら、自分のペースで将来の計画を考えていくことが大切です。
関連記事:一度中絶すると不妊になるって本当?
参考:National Academies|nationalacademiesThe Safety and Quality of Abortion Care in the United States(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine, 2018)
将来の妊娠に影響しうるケース
将来の妊娠に影響が出る可能性があるのは、主に以下のような場合です。
- 子宮内感染が卵管まで広がり、癒着や閉塞が残った場合
- 子宮内の癒着(アッシャーマン症候群)が起きた場合
- 中絶をくり返し、子宮内の処置が重なった場合
いずれも、必ずしも妊娠しにくくなるとは限りません。影響の程度は、症状や治療の状況によって一人ひとり異なります。
過去の中絶が気になっている場合は、妊娠を希望した時点で婦人科に相談し、既往を伝えたうえで検査を受けることも選択肢のひとつです。
話しにくいことかもしれませんが、医師にとっては体の状態を知るための大切な情報なので、安心して伝えてくださいね。
中絶後の排卵再開と避妊の考え方
中絶後は排卵の再開が早く、早ければ術後2週間前後で排卵が起こる可能性があります。
生理が再開する前に排卵が起こることもあるため、生理が来ていなくても妊娠することがあるのです。
体と心がゆっくり回復するための時間を守るためにも、術後の診察の際に、これからの避妊方法について話してみましょう。
医師と一緒に、自分の体や生活に合った方法を考えていくことが大切です。
中絶後の心の変化とケア
中絶後は、体だけでなく心にもさまざまな変化が起こることがあります。
起こりやすい気持ちの変化とその背景、つらいときの相談先についてご紹介します。
中絶後に起こりやすい気持ちの変化
中絶後に感じる気持ちは、本当に人それぞれです。
悲しみや罪悪感、喪失感を抱く方もいれば、ほっと安堵する方もいらっしゃいます。
- 悲しみ
- 罪悪感
- 喪失感
- 安堵
安心した気持ちと申し訳なさが同時に湧いてくるなど、相反する感情が入り混じることもありますが、それも自然な心の反応です。
前述の米国科学・工学・医学アカデミーの報告書では、中絶によってうつ病・不安障害・PTSDのリスクが高まることは認められなかったとしています。
一方で、中絶後に長くつらさを抱える方がいることを指摘する研究もあり、感じ方には個人差があります。
どのような気持ちであっても、「こんなふうに感じてはいけない」と無理に否定したり、押し込めたりしなくて大丈夫です。
多くの場合、こうした気持ちは時間とともに少しずつ和らいでいくと考えられています。
参考:National Academies|nationalacademiesThe Safety and Quality of Abortion Care in the United States(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine, 2018)
心の変化が起こる背景
中絶後の心の変化に関わっていると考えられる主な背景は、以下の3つです。
- 妊娠の終了に伴うホルモンの急な変化
- 中絶に至った事情やパートナー・家族との関係
- 誰にも話せないことによる孤立感
なかでもホルモンの変化は、本人の意思とは関係なく、気分の落ち込みや涙もろさにつながることがあります。
「気持ちが弱いから」ではなく、体の変化が心に影響している面もあるのです。
また、中絶前から心の不調を抱えていた方や、周囲に相談できる人がいない方は、つらさが続きやすい傾向があります。
つらい気持ちとの向き合い方と相談先
つらい気持ちを、無理に整理しようとしなくて構いません。
信頼できる人や医療者に話すだけでも、心の負担が少し軽くなることがあります。
睡眠や食事など、まずは体を休めることも意識してみてくださいね。
眠れない、食欲がない、気分の落ち込みが2週間以上続くといった場合は、心療内科や精神科への相談も検討してみましょう。
もし自分を傷つけたい気持ちが出てきたときは、ひとりで抱え込まず、すぐに身近な人や医療機関、相談窓口に連絡してください。
身近に話せる人がいない場合は、以下のような窓口も利用できます。
中絶後の受診の目安と術後の過ごし方
中絶後の体の変化には、様子を見てよいものと、早めに受診を考えたいものがあります。
それぞれの目安に加えて、術後検診の意味や回復を助ける過ごし方をご紹介します。
回復過程で起こりやすい体の変化
体が妊娠前の状態へ戻っていく過程で起こりやすい主な変化は、以下のとおりです。
多くは時間とともに落ち着いていきますが、変化の程度や期間には個人差があります。
「ほかの人と比べて長い気がする」と不安になったときも、遠慮なく医療機関へご相談ください。
早めに受診を考えたい症状
以下のような症状は合併症のサインの可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。
- 38℃以上の発熱が続く
- 短時間でナプキンを何度も替えるほどの出血がある、大きな血の塊がくり返し出る
- 痛み止めを飲んでも治まらない強い下腹部痛がある
- おりものに強いにおいがある
- つわりなど妊娠の症状が続いている
- 術後50日以上たっても生理が来ない
- 気持ちの落ち込みが続き、日常生活を送るのがつらい
生理が再開する前に再び妊娠することもあるため、生理が来ない状態が続く場合は早めに確認することが大切です。
夜間や休日に大量の出血や強い痛みがある場合は、救急外来の受診も検討しましょう。
「こんなことで受診していいのかな」と迷う必要はありません。不安な気持ちごと、医療機関に伝えてみてくださいね。
術後検診を受ける意味
術後検診は、子宮内に組織が残っていないか、感染が起きていないか、回復が順調に進んでいるかを確認するための大切な機会です。
症状が落ち着いていても受診しておくことで、自分では気づきにくい異常の早期発見につながります。
術後検診の時期は医療機関によって異なりますが、手術の数日後から2週間ほどの間に行われることが多いとされています。
手術を受けた医療機関の指示に沿って、忘れずに受診するようにしましょう。
検診は、体や心について気になっていることを医師に直接聞ける貴重な機会にもなります。
回復を助ける術後の過ごし方
初期中絶の場合、シャワーは手術の翌日から可能なことが多い一方で、入浴や仕事、家事などは数日から1週間ほどかけて段階的に再開するのが一般的です。
回復のペースには個人差があるため、術後数日は無理をせず、体を休めることを優先してください。
回復を助けるために、術後は以下のような点を意識して過ごしましょう。
- 入浴や運動、仕事、性交渉の再開時期は医師の指示に従う
- 感染予防のため、タンポンではなくナプキンを使い、こまめに交換する
- 処方された薬は、指示どおりの量と期間で服用する
- 激しい運動や長時間の外出は、体調を見ながら少しずつ再開する
頑張りすぎず、自分の体をいたわる時間を大切にしてください。
過ごし方で迷うことがあれば、手術を受けた医療機関へお気軽にご相談ください。
中絶でお悩みの方はいこまともみレディースクリニックへご相談ください
中絶を考えているとき、そして手術を終えたあとも、体や心の変化に不安を感じるのは自然なことです。
いこまともみレディースクリニック婦人科は、石川県白山市にある女性専門のクリニックです。
院長・スタッフともに女性で、完全予約制によりプライバシーに配慮した環境を整えております。
初期の人工妊娠中絶(日帰り手術)に対応しているほか、術後の出血や腹痛、生理の変化など、中絶後の体の不調についてもご相談いただけます。
「誰にも話せない」と感じていることも、どうぞそのままお聞かせください。
中絶は自由診療のため、費用や診療内容で気になる点は、予約の際にお気軽にお尋ねください。
ご予約はお電話のほか、24時間受付のLINEからも可能です。
スタッフ一同、一人ひとりの気持ちに寄り添いながら、心を込めてサポートいたします。
まとめ
適切な医療機関で行われた妊娠初期の中絶で、長期的な後遺症が出る可能性は低いとされています。
ただし、子宮内感染や遺残などの合併症が起こることはあり、発見や対応が遅れた場合には、月経や将来の妊娠に影響する後遺症につながる可能性もあります。
だからこそ、術後検診を受けることや、発熱・多量の出血・強い腹痛・生理が来ないといったサインに気づいたら早めに受診することが大切です。
中絶後には、体だけでなく心にもさまざまな変化が起こることがあります。
どのような気持ちを抱いても、それはあなたの自然な反応です。
つらいときはひとりで抱え込まず、信頼できる人や医療機関、相談窓口を頼ってください。
いこまともみレディースクリニック婦人科では、中絶前の不安から術後の体と心の変化まで、女性スタッフが一人ひとりに寄り添いながらご相談をお受けしております。
気になることがあるときは、どうぞ安心してご相談ください。
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