TEL LINE予約 産科分院は
こちら
TEL. 076-216-0123
受付時間 9:00-18:00

BLOG

中絶後になりやすい病気は?不妊への影響と受診の目安を解説

中絶手術を終えたあと、「出血や腹痛が続いているけれど大丈夫だろうか」「将来妊娠できなくなることはないだろうか」など、身体の変化や将来への不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

術後に生じるお腹の張りや少量の出血の多くは、子宮が元の状態に戻る自然な回復過程で起こるものです。

しかし、まれに感染症や子宮内癒着などの合併症が隠れているケースもあります。

本記事では、中絶後になりやすい病気とその症状、将来の妊娠への影響、そして受診を検討したい症状の目安について詳しく解説します。

中絶後の体に起こる変化と正常な経過

人工妊娠中絶の手術後は、子宮の回復や女性ホルモンバランスの劇的な変化に伴い、次のような身体的症状がみられることがあります。

  • 少量の出血
  • 生理痛に似た下腹部の痛み
  • 一時的な微熱
  • 生理の再開時期や周期の乱れ

これらの変化は、拡大した子宮が元の大きさに戻ろうとして収縮する反応(子宮復古)や、急激な妊娠ホルモンの低下に伴って引き起こされると考えられています。

症状の程度や持続期間には個人差があり、手術方法や妊娠週数によっても異なりますが、多くの場合は数日から2週間程度で少しずつ落ち着いていきます。

関連記事:中絶後の出血はいつまで続く?受診の目安と注意したい症状を解説

中絶後になりやすい病気と主な症状

中絶後の合併症の発生頻度は決して高くありませんが、可能性としてはゼロではありません。

ここでは発生頻度のデータとともに、時期ごとに起こりやすい病気と症状をご紹介します。

  • 手術中・術後すぐ
    子宮穿孔・子宮頸管損傷大量出血
  • 術後数日〜数週間
    子宮内膜炎・骨盤腹膜炎などの感染症子宮内遺残
  • 術後数か月
    子宮内癒着(アッシャーマン症候群)生理の乱れ

中絶後の合併症が起こる頻度

国内の調査によると、妊娠初期の人工妊娠中絶において重い合併症が発生する頻度は全体の0.3%程度と報告されています。

厚生労働省の事業として日本産婦人科医会の研究班が行った実態調査(令和5年5月〜10月実施、対象36,007件)では、重篤な合併症の発生率は0.317%でした。

重篤な合併症の発生率0.317%対象36,007件(令和5年5月〜10月)
主な内訳
  • 子宮穿孔・子宮破裂 0.019%
  • 輸血を要する大量出血 0.014%
  • 子宮内遺残による再手術 0.175%
出典:厚生労働省 研究班による実態調査(令和5年度)

また、日本産婦人科医会による調査(2012年)では、搔爬(そうは)法を含む術式に比べて、吸引法(手動・電動)のみで処置を行った場合の方が子宮内遺残などの発生頻度が低い傾向が報告されています。

大多数の方は大きなトラブルなく順調に回復しますが、まれな不調や病気のサインに早く気づけるよう知識を持っておくことが大切です。

参考:厚生労働省|経口妊娠中絶薬導入後における人工妊娠中絶の実態調査及び適切な情報提供等に関する研究(令和5年度 総括・分担研究報告書)

参考:日本産婦人科医会|4.妊娠12週未満の人工妊娠中絶手術による合併症(日本産婦人科医会調査結果より)

手術中や術後すぐに起こりうる合併症

手術中または術直後に生じる可能性がある代表的な合併症には、子宮・子宮頸管の損傷や大量出血が挙げられます。

  • 子宮穿孔・子宮頸管損傷手術器具の接触により、子宮の壁に穴が開いたり(穿孔)、子宮の出口(頸管)が傷ついたりする状態です。
  • 大量出血術後の子宮収縮が不十分な場合(子宮弛緩症など)に発生することがあります。

これらの発生頻度は極めて低く、多くは処置の最中や術後の院内経過観察中に医師によって発見され、適切な止血・縫合処置が行われます。

万が一、帰宅後に経血が急激に増えた場合や、耐えがたい強い腹痛が現れた場合は、速やかに手術を受けた医療機関へ連絡してください。

術後数日から数週間に起こりやすい病気

術後数日から数週間にかけては、子宮の創面が治癒する過程にあるため、細菌感染や処置組織の残存に注意が必要です。

子宮内膜炎・骨盤腹膜炎などの感染症

中絶後は子宮頸管が開いた状態が一定期間続くため、腟内の常在菌や雑菌が子宮内に侵入し、子宮内膜炎を引き起こすことがあります。

炎症がさらに進行して卵管や骨盤内の腹膜まで広がると、骨盤腹膜炎へ発展するリスクがあります。

主な症状
  • 高熱や微熱の持続
  • 強い下腹部痛や腰痛
  • 悪臭を放つおりもの
  • 長引く不正出血

子宮内遺残

子宮内遺残とは、絨毛(じゅうもう)などの妊娠組織の一部が子宮内に排出されずに残ってしまう状態です。

術後は一時的に妊娠検査薬の陽性反応が残ることがありますが、数週間経過しても強陽性が続く場合は、子宮内遺残の有無を含めた超音波検査による診断が必要となります。

主な症状
  • 出血がいつまでも止まらない
  • 一度減った出血が再び増える
  • 波のある下腹部痛

術後数か月たってから気づくことがある病気

術後しばらく時間が経ってから、月経の異常をきっかけに判明する病気や変化もあります。

子宮内癒着(アッシャーマン症候群)

処置に伴い子宮内膜が深く傷ついたり、術後に強い炎症を起こしたりすることで、子宮の内壁同士がくっついてしまう状態を子宮内癒着(アッシャーマン症候群)と呼びます。

発生頻度は非常にまれですが、以下のような生理の変化として現れることがあります。

主な症状
  • 経血量の極端な減少
  • 予定の時期を過ぎても生理が来ない
  • 生理の時期に合わせた激しい下腹部痛

生理の乱れ

中絶後は、妊娠に伴って変動したホルモン値が正常に戻るまでに時間がかかるため、生理の再開時期や周期が一時的に不順になることがあります。

一般的な生理の再開目安は術後1〜2か月程度ですが、いつまでも再開しない場合は、ホルモンバランスの影響だけでなく、子宮内癒着や遺残、あるいは新たな妊娠の可能性を考慮する必要があります。

中絶後の心の不調

手術後は、身体だけでなく精神面にも大きな負荷がかかりやすい時期です。

強い罪悪感・喪失感・突発的な気分の落ち込み・不眠・何事にも意欲が湧かないといった「ポスト・アボーション・シンドローム(中絶後ストレス障害)」に類似した症状を経験される方もいらっしゃいます。

こうした精神的な揺らぎには、術後の急速な女性ホルモンの低下に加えて、心理的ストレスや周囲へ相談しにくい状況などが複雑に影響しています。

つらい気持ちを覚えることは自然な反応であり、特別なことではありません。

心の苦しみが長引く場合や日常生活に支障が出る場合は、無理をせず主治医や専門家にご相談ください。

中絶が将来の妊娠に与える影響

「将来、子供が作れなくなってしまうのではないか」という不安を抱えるのも自然なことです。

まずは、中絶のリスクや影響について正しく知っておくことが大切です。

1回の中絶で不妊になる可能性

適切に実施された初期の人工妊娠中絶であり、かつ術後に重篤な合併症が発生しなかった場合、1回の中絶処置が原因で将来の不妊率が有意に高まるリスクは低いとされています。

現在、国内の初期中絶においては、組織損傷のリスクが少ないとされる吸引法(手動真空吸引法・電動真空吸引法)が広く普及しており、前述のとおり重篤な合併症の頻度は抑えられています。

したがって、中絶手術を受けたという経験そのものが、ただちに将来の不妊に直結するわけではありません。

関連記事:一度中絶すると不妊になるって本当?

不妊につながる可能性があるケース

将来の不妊リスクに影響を及ぼしかねないのは、中絶行為そのものではなく「術後に生じた合併症の重症化や放置」です。

  • 骨盤内感染症の拡大子宮内膜炎から卵管炎や骨盤腹膜炎へ進行すると、卵管の通気性が損なわれたり(卵管閉塞)、癒着を起こして卵子のピックアップ機能を妨げたりすることがあります。
  • 子宮内癒着の形成アッシャーマン症候群により子宮内膜の増殖が不十分になると、受精卵の着床障害に繋がる可能性があります。
  • 繰り返される子宮内手術複数回の手術処置は、子宮頸管の保持力低下(子宮頸管無力症)や内膜損傷のリスクを高める要因となり得ます。

いずれの場合も、異常発生時に早期発見し、適切な抗菌薬治療や外科的処置を受けることで、将来的な妊娠への影響を最小限にとどめられます。

次の妊娠を考えるときの目安

中絶後は、最初の生理が再開するよりも前の段階で排卵が起こることがあります。

そのため、術後わずか数週間であっても、避妊を行わなければ再妊娠する可能性があります。

直近での妊娠を希望されない場合は、性交渉を再開するタイミングから低用量ピルやコンドームなどによる避妊を行ってください。

関連記事:【婦人科医監修】低用量ピルの種類と違い|目的別の選び方も解説

将来的に次の妊娠を希望される場合は、子宮内膜の十分な再生とホルモン周期の回復を待つため、通常の生理が2〜3回順調に巡ってから計画を立てることが一般的です。

  • 1手術術後検診は1〜2週間頃
  • 2排卵最初の生理より前に起こることがある性交渉の再開時から避妊を
  • 3生理の再開術後1〜2か月程度が目安
  • 4次の妊娠の計画通常の生理が2〜3回順調に巡ってから

最適なタイミングについては、子宮の回復状況に合わせて担当医にご相談ください。

中絶後に受診を検討したい症状と目安

術後の経過において、緊急処置が必要なサインや早めの相談が望ましい症状の目安について解説します。

すぐに受診したい症状

以下の症状が現れた場合は、大量出血や重度感染症などの急性の合併症が疑われるため、術後検診の日程を待たず速やかに手術を受けた医療機関へご連絡ください。

すぐに手術を受けた医療機関へ連絡
  • !生理のピーク時を明らかに超える大量の出血があり、ナプキンが1時間持たない
  • !レバー状の大きな血の塊が何度も排出される
  • !38℃以上の発熱が続く、または悪寒・震えを伴う
  • !市販の鎮痛薬を服用しても軽減しない激しい下腹部痛がある
  • !めまい、冷や汗、立ちくらみ、意識の遠のきを感じる

急激な出血増加や血圧低下のサインが見られる場合は、生命維持に関わる危険性もあるため、夜間・休日の場合は受診・救急搬送を検討してください。

早めに相談したい変化

すぐに命に関わる危険性は低いものの、以下のような異変が続く場合は、子宮内遺残や軽度の感染症、ホルモン不全などの可能性が考えられます。

早めに受診を相談
  • 出血がだらだらと長引いている
  • おりものに悪臭がある、色が黄色や緑色に変わった
  • 生理がなかなか再開しない、経血量が極端に少ない
  • 妊娠検査薬で陽性が続いている
  • 気持ちの落ち込みや不眠が長く続いている

これらも個人の判断で原因を突き止めることは困難なため、早めの受診をご検討ください。

術後検診の重要性

手術を実施したクリニックから指定される術後検診(一般的に術後1〜2週間頃)は、無症状で進行している子宮内遺残や微細な感染、子宮の収縮状態を客観的に確認するための重要な工程です。

自覚症状がない場合であっても自己判断で受診をキャンセルせず、必ず超音波検査等による経過観察をお受けください。

合併症を防ぐための術後の過ごし方

感染症や術後トラブルのリスクを低減させるため、日常生活では以下のポイントに注意してください。

  • 処方薬の服用処方された抗生剤(抗菌薬)や子宮収縮剤は、症状がなくても指示通りの日数・回数を確実に飲み切ってください。
  • 入浴・性交渉の制限湯船につかること(浴槽入浴)や性交渉、激しい運動は、子宮口が閉じ、創面が上皮化するまで禁止です。再開時期は必ず医師の診察による許可を得てください。
  • デリケートゾーンの清潔保持ナプキンはこまめに交換し、清潔な状態を保ってください。タンポンの使用は感染リスクを高めるため避け、生理用ナプキンを使用してください。
  • 安静の確保術後数日間は無理な運動や長時間の立位作業を避け、十分な睡眠と休養をとってください。

まとめ

中絶後に生じる身体の変化は、多くが自然な回復過程によるものですが、まれに感染症・子宮内遺残・子宮内癒着などの合併症が潜んでいるケースもあります。

これらの疾患も、早期に発見し適切な医療処置を行うことで、将来の妊娠可能性への影響を抑えられます。

出血の長期化や腹痛、生理の遅れなど、少しでも気になる症状がある場合は、決してご自身だけで抱え込まず早めに医療機関へご相談ください。

いこまともみレディースクリニック婦人科では、人工妊娠中絶術後の経過観察や各種マイナートラブルの診療、将来の妊娠に向けたヘルスケア相談まで、お一人おひとりの心身に寄り添った手厚い医療サポートを提供しております。

お困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

診療時間
MEDICAL HOURS

月 火 水 木 金 土
AM
9:00〜12:00
プラセンタ注射
サプリメント購入
プラセンタ注射
サプリメント購入
休診 プラセンタ注射
サプリメント購入
プラセンタ注射
サプリメント購入
AM
9:00〜13:00
PM
13:00〜18:00
休診
※13:30〜 休診
  • 電話番号
    076-216-0123
  • 受付時間
    9:00〜18:00
  • 休診日
    水曜日・土曜日午後・日曜日・祝日

※金曜日のみ13:30~診療いたします。
初診最終受付 平日17:30、土曜12:30

プラセンタ注射・サプリメント購入は午前中も可能です。(水・日・祝日除く)
マンジャロ注射・ビジリス利用は午前中も可能です。
再診の患者様でいつものお薬のみご希望の方、検査不要の方、治療に関するお問い合わせの方に限り、オンライン診療で対応可能です。

アクセス
ACCESS

ご予約・お問い合わせ
CONTACT

  • LINEからのご予約
    【24時間受付可能】

  • お電話からのご予約
    【受付時間9:00~18:00】

    TEL.076-216-0123